アクアソムリエマイスター宝積 有香さん
宝積有香さんオフィシャルサイト
http://official.stardust.co.jp/houshaku/
アクアソムリエマイスターの資格を
取得しようと思ったきっかけは?
仕事柄、不規則な生活が続いたために体調を崩し、お医者様から「水をとにかく飲みなさい」と言われました。
正しい飲み方も種類も分からずにただ漠然とした知識しかなかったため、水を飲むようにしたことで体調の変化を感じるようにはなりましたがうっかりするとまた体調を崩すということを繰り返し、水の飲み方には試行錯誤していました。意識的に生活の中に多く水を取り入れるようにしていた矢先、水の資格があるということを知人を通して知り、まずはアクアソムリエの資格取得を目指しました。
正しい知識を学んでいくうちに、飲み方はもちろん、水そのものについても「なんて浅はかな知識しか持っていなかったんだろう」と思い知りました。
単純に「水」と言ってもそれだけでも幅広く、勉強を重ねるうちにどんどん水の魅力にはまっていき、女優の仕事を通じて水の大切さを伝えていきたいと考えるようになりました。
そのためにはより専門的に学べるアクアソムリエマイスターまでの知識が必要だと思い、アクアソムリエマイスターの資格取得まで学ばせていただきました。
勉強してどのような発見がありましたか?
そもそも水の事を全く知らなかったんだ!という驚きから入りました。
もともと自宅で飲んでいたウォーターサーバーはミネラルウォーターだと思っていたら、99.99%濾過された純水でしたし、私は北海道出身なのですが、北海道は水道水がきれいだと思っていたら、残留塩素の問題を学びました。全てが目からうろこです。
水を意識的に多く摂取していたにも関わらずそんな知識もなかったわけです。それは私だけではなく、多くの方に共通して言えることではないかと思っています。世の中、エコロジーや健康志向、無農薬が叫ばれている中で、一番気をつけなくてはいけない要素をぼんやりとした知識だけで摂取しても良いものではないなと感じました。
宝積さんは女優さんでいらっしゃいますので、
稽古の時の水分補給で水を飲むことも多いのでは?
確かに稽古では声を出すので、喉を乾燥させたりしてはいけないので水分補給は欠かせないですね。
冷たい水は喉によくないので常温の水と、ホットハーブティーに蜂蜜を入れたものを持参していることが多いです。
私の場合は意識的に水分補給するようになってから、水分を定期的に摂取しないと体が要求してくる様になってきましたね。私が基本、お稽古に持って行く水は、富山県入善町の軟水(アクアアクア)です。甘さがあってさらりと飲み口が良いのが気に入ってます。なによりボトルが可愛い!
お稽古している時はちょっと職人っぽくなりがちです。女優のお仕事はお客様に見て頂いて初めて息をし、煌めく瞬間がやってくると思っています。それまでは集中して組み立てる地味な作業で、人に見られるという事を忘れがちになってしまうんです。そんな時に少しでも着ているものや持っているもので気持ちを清潔に保ちたくて、ボトルにもこだわりたいなと思っています。
もちろんそれだけではなく、もともとむくみやすい体質なのでナトリウムが比較的少なめというのも選んでいる理由の一つです。汗をかく事も多いですがお菓子などの差し入れで塩分を取る事もしばしば。なので、今の私にはこれが合っていると思っています。
周りの方から水の飲み方などの
アドバイスを求められることも多いのでは?
水の話をすると水に関心を持っている方が意外に多いという事に気づかされます。
ちょっと話すと、「こんな体調なんだけど何を飲めば良いかアドバイスが欲しい」「今飲んでるものは自分に合っているのか」「浄水器は何を買えば良いのか?」などなど、質問攻めにあうことも多いです。
私の場合はまず、水に対してどのくらい意識しているか聞く事から始め、日常の水分補給は何を飲んでいるか、その飲み物を選んでいる理由などを聞きます。
さらに家庭では浄水器を使っているか、カートリッジは変えているかを聞くと、水に対してのだいたいの認識度が分かってくるので、まずは水の良し悪しを知ってもらい、それをふまえた上で、何種類かの水を提案し、そこから自分に合ったものを自ら選んでいただくようにしています。
最近は、アクアソムリエマイスターとしてレストランで
ミネラルウォーターのプロデュースをされたそうですが、どのような水を選ばれたのですか?
恵比寿にある「es」というイタリアンレストランで、約20種類のミネラルウォーターリストを作り、ちょっとした水の豆知識と、ミネラルウォーターの基本を掲載したPOPを提供しています。「es」は管理栄養士さんが常勤しているという珍しいレストランです。
私なりに提案したリストを管理栄養士さんに監修していただき、水を意識することでおいしく楽しく健康になっていきましょう、という思いを込めて、アドバイスさせていただきました。その中でも、私なりのこだわりとして、有機物チェックをして硝酸が最も少ない水を選びました。
ミネラルウォーターとして販売されている水にもごくわずかな有機物は含まれています。食材は農薬や化学肥料などが使われていることを気にするのに水はなぜ気にしないんだろう?と思っていたので、専用の試験薬を取り寄せて自分で硝酸チェックをし、製造基準を守っているものでも、さらに少ないものだけを選びました。
アクアソムリエマイスターとして
今後の抱負をお聞かせください。
健康志向の方が増えて行く中で、水の知識も多くの人にもっともっと広がっていって欲しいと思います。
伝える場が増えてきている中で思うことですが、私がアクアソムリエマイスターの資格を持ち、水についての知識があるからと言っても、一人一人が産まれてからずっと身近にあって選んできた「水」を変えることは難しいと実感しています。
「東京のお水はおいしくなってるから大丈夫」
「逆に北海道は元々お水がおいしいからわざわざミネラルウォーターを買う必要がない」
「水道水が一番おいしい」
「ペットボトルは汚い気がする」
「今まで体を壊した事がないから水道水が一番健康に優しい」
など、このようにそれぞれが絶対的に信じていたものをくつがえすのは容易ではありません。
少しずつ水について知ってもらい、意識してもらうことができれば無理なく水の面白さや大切さが広がっていくのかなと考えたりします。
分かりやすく、慎重丁寧に伝えていく術を見つけていきたいです。
そしてワインと同じようにミネラルウォーターも好みや体調に合わせて選べるようなお店が増えていくと、たくさんの人の水への意識ももっともっと変わっていくのではないかと思います。雑誌、広告、レストラン、いろいろな情報源を通して、体にとって水がいかに大切かということや料理と水のマリアージュなどを広めていけるような活動をしていきたいと思っています。
[2018年12月掲載]